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ラトビア人 ラトビアじんLatvians; Letts

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ラトビア人
ラトビアじん
Latvians; Letts

レット人とも呼ばれるラトビアの基幹住民。バルト海沿岸に居住し,人口約 140万 (1990) 。ラトビア語を用いる。形質的には東バルト人種に属する。ラトビアという名称は,北部のダウガバ川流域にいた先住民,ラトガル Latgalもしくはレットガル Letgalに由来する。紀元前からバルト海沿岸に住んでおり,ゼミゴラ,レチゴラ,コルシ,セルなどの諸族が加わって著しく広い領域を占めていた。古くから農耕,牧畜を営んでいたが,手工業も発達していた。 13世紀からドイツ騎士団に征服され,ラトビア人は農奴化され,カトリックに改宗させられた。 16世紀にポーランドに併合され,プロテスタントが広まった。 18世紀にはロシア帝国の属領となり,以来ロシアとの関係が緊密になった。 1940年にソ連邦に加盟。伝統的に家畜飼育,漁労,農耕に従事したが,19世紀初め頃から産業が発達しブルジョアジーが発生した。宗教はルター派キリスト教徒が多いが,そのほかローマ・カトリック,ギリシア正教を信仰している。中世以来ドイツの文化的影響を強く受け,独自の文化,芸術様式を豊かに発展させた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ラトビア人
らとびあじん
Latvians

バルト語派内の東バルト語に属するラトビア語を母語とする民族。自称はラトビェシLatviesi。ラトビア共和国に138万8000人(1995)が住む。レット人ともいう。かつての四つの部族ラトガリLatgali、セリSeli、ゼムガリZemgali、クルシKuriの子孫であり、その居住域はいまも四つの文化圏を構成する。母語であるラトビア語は、リガを中心に話されるもっとも優勢な中央方言、東部で話される上部方言、北西部で話されるリボニア方言に分かれる。
 ラトビアの歴史においては13世紀以降ドイツのリボニア騎士団(ドイツ騎士団)やスカンジナビアの支配が長く、その強い文化的影響を受け、宗教はルター派が優勢である。このような文化・宗教的伝統においてラトビア人はむしろフィン系のエストニア人に近い。ただしリトアニア語的要素をもったラトビア語方言を話すラトガリア人(レトガラ)だけはポーランドの影響下に伝統的にカトリック教徒である。第一次・第二次両世界大戦下には独立を達成したが、1940年にソ連内のラトビア共和国となり、1991年のソ連解体により独立、現在に至っている。戦時中に多くの人口がアメリカ、カナダなどに亡命した。伝統的な生業は農耕、漁業、養蜂(ようほう)。19世紀なかばまで富裕農家に大家族が存在したが、基本的な家族形態は核家族である。[伊東一郎]
『村田郁夫編『ラトビア語基礎1500語』(1994・大学書林)』

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世界大百科事典内のラトビア人の言及

【ソビエト連邦】より

…前者には西シベリアからオホーツク海沿岸に分布するエベンキ族,アムール川下流,サハリン,沿海州に分布するエベン族,ナナイ族,ウリチ族,ウイルタ族(旧称オロッコ族),オロチ族などの民族が属し,後者にはコリヤーク族,チュクチ族,イテリメン族(旧称カムチャダール族),ニブヒ族(旧称ギリヤーク族),ユカギール族,ケート族などの民族が属する。 インド・ヨーロッパ語族に属する言語をもつ民族には,前記のロシア人,ウクライナ人,白ロシア人(ベラルーシ人)のほかに,バルト海沿岸にリトアニア人とラトビア人,ウクライナの南に,ルーマニア人と言語・文化の面で近いモルダビア(モルドバ)人がいる。また極東地方にはユダヤ人もいる。…

※「ラトビア人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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