リオン湾(読み)リオンわん(英語表記)Golfe du Lion

改訂新版 世界大百科事典 「リオン湾」の意味・わかりやすい解説

リオン湾 (リオンわん)
Golfe du Lion

フランス南部,地中海岸,ピレネー山脈東端のクレウス岬から東はローヌ河口付近あるいはトゥーロン南西の岬までの湾。大部分大陸棚で,200m以浅である。ローヌ川,オード川などが流入する。クレウス岬付近は花コウ岩質で,コート・ベルメイユ(朱色海岸)と呼ばれる。湾奥のルーシヨン,ラングドックの海岸は砂浜海岸で潟湖が多い。ルーシヨン平野では,モモ,ブドウなどの果樹やレタス,トマトなどの野菜が,ラングドック平野ではブドウが栽培されている。海ではマグロ,サバ,イワシなどのほか,底引網漁も行われる。潟湖では,ウナギ,タイ,ボラなどがとられ,カキ,ムール貝の養殖が行われている。ローヌ川デルタはカマルグと呼ばれ,北部は干拓されて水田となっている。マルセイユからトゥーロン付近にかけては岩石海岸でコート・カランク(入江海岸)と呼ばれる。リオン湾沿岸にはマルセイユほかの港湾があり,古くからの都市が多い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リオン湾」の意味・わかりやすい解説

リオン湾
りおんわん
Golfe du Lion

ヨーロッパの地中海北西海域の湾。西はスペインのクレウス岬から東はフランスのローヌ川三角州に至る。水深は200メートル以下と浅い。西からルシヨン、ラングドック、カマルグの各地方に面する。砂浜と「エタン」Étangとよばれる潟湖(せきこ)が連続していて港は少ないが、主要港はセートとポール・バンドゥル。平均気温は冬13℃、夏22℃と気候温和で、コート・ダジュールにかわる保養地として近年開発が進められている。

高橋 正]

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百科事典マイペディア 「リオン湾」の意味・わかりやすい解説

リオン湾【リオンわん】

フランス南部,地中海北西隅の湾入。スペイン北東端のクレウス岬からローヌ河口,あるいはトゥーロン南方に至る。港としてはマルセイユがある。大部分は大陸棚で,水深200m以下。食用貝の養殖も行われる。

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