ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルドルフ2世」の意味・わかりやすい解説
ルドルフ2世
ルドルフにせい
Rudolf II
[没]1612.1.20. プラハ
神聖ローマ皇帝,ボヘミア王 (在位 1576~1612) ,ハンガリー王 (在位 1576~1608) 。ハプスブルク家の出身。 1563~71年スペインで教育を受け,76年即位後父のマクシミリアン2世の領土を継承,さらに 95年チロルその他の領土を併合した。学術愛好家として知られ,また化学,天文学などに興味をもち,T.ブラーエや J.ケプラーを保護した。頑迷なカトリック信者であったため宗教改革後のドイツ内政に手を焼き,その政治に不満をもつ人々に擁立されて弟マティアスが 1606年トルコ,ハンガリーとの講和権を獲得,さらにハンガリー,モラビア,オーストリアの主権を掌握した。その結果,年来のカトリック主義を実現できず,09年ボヘミア貴族に屈服して全ボヘミア人に信教の自由と政治的特権を与えざるをえなかった。さらにユーリヒ継承戦争に介入して失敗,三十年戦争を誘発する素地が形成された。
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