環loopのように山を回りながら登る鉄道線路の敷き方。山に登る場合に、ぐるぐる回りながら登れば、距離は伸びても勾配(こうばい)が緩くなる。勾配区間で力の落ちる蒸気機関車には、ことに必要な配慮だった。日本では1909年(明治42)に開通した九州肥薩(ひさつ)線の大畑(おこば)―矢岳間にあるのが古く、勾配はループ部分のほとんどが25‰(パーミル)で、一部は30‰である。1931年(昭和6)に全通した上越線清水トンネルは両出口にループ線をもっている。南口を湯檜曽(ゆびそ)ループ、北口を松川ループと称し、勾配は20‰と比較的緩く、開通時から電化されていたので高速運転が実現できた。アルプスの国スイスでは、国鉄サン・ゴタール・トンネルの南口ジョルニコ付近に二巻きのループ線が、私鉄レーティッシェ鉄道のプレダ付近には三巻きのループ線があり、勾配も35‰もある。なお、土木技術の進歩で長大トンネルが増えているため、ループ線は今後ふえることはない。
[吉村光夫]
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