改訂新版 世界大百科事典 「ロハスソリーリャ」の意味・わかりやすい解説
ロハス・ソリーリャ
Francisco de Rojas Zorrilla
生没年:1607-48
スペインの劇作家。カルデロンの追随者の一人で,作品のほとんどは宮廷で上演された。1640年に,最新の設備をもつ劇場がブエン・レティロ宮に造られた際,その開幕に上演されたのが《ベローナの徒党》であった。〈黄金世紀〉の演劇の中心的テーマの一つである名誉の問題に新たな視点を与えたが,特に女性を主人公にした作品を書いたのは彼が最初である。また,恋する娘と無理に結婚しようとする老人という図式を創造した。このロハス・ソリーリャの作品は,フランスのロトルー,スカロン,コルネイユ,ル・サージュなどが種本として利用している。代表作に,最も著名な喜劇《国王のほかは容赦せず》のほか,《馬鹿のあいだでも勝負ははずむ》《カタルニャのカイン》がある。
執筆者:乾 英一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報