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ワダイ王国 ワダイおうこく

世界大百科事典 第2版の解説

ワダイおうこく【ワダイ王国】

アフリカのチャド共和国東部のワダイWadai(Ouaddai)地方に興亡した王国。この地方にはすでに14世紀には非イスラム教徒であるアラブ遊牧民が国家を形成していた。その支配王朝はトゥンジュール王朝で,彼らはエジプトとチャド湖方面を結ぶダルブ・アルアルバイーン(〈40日間交易路〉の意)を介してエジプトと奴隷貿易を行っていた。また彼らは従属民であるマバ族(農耕民)から食物や労役を徴発し,こうして王国が成立していた。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ワダイ王国
ワダイおうこく
Wadai

チャド東部ワダイ地方にかつて存在した王国。チャド湖とダルフル地方(→ダルフル州)に挟まれた地域に栄えた。16世紀に建設され,1630年頃イスラム王朝が誕生した。長らくダルフル王国の属国であったが,1790年代に独立し,西方のボルヌ王国(→カネム=ボルヌ王国)を侵略して急速に領土を拡大した。ナイル川上流やダルフル地方とボルヌ,カノを結ぶ東西路と,首都アベシェと地中海沿岸のバンガージーを結ぶサハラ隊商路という二大交易路の交差点という地の利をいかして繁栄した。19世紀に入ると,アルシャリフ(1835~58),アリ(1858~74),ユスフ(1874~98)ら歴代国王が安定した支配を確立し,アベシェ―バンガージーの安全性が高まったため,ほかの隊商路は使用されなくなった。1906~14年フランス占領下に置かれると,サハラ隊商路は終焉を迎えた。

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