一ノ倉沢(読み)いちのくらさわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「一ノ倉沢」の意味・わかりやすい解説

一ノ倉沢
いちのくらさわ

群馬・新潟県境にある三国(みくに)山脈の主峰谷川岳の北の一ノ倉岳(1974メートル)の東側斜面の沢で、湯檜曽(ゆびそ)川右岸の一支谷。群馬県利根(とね)郡みなかみ町に属する。谷川岳頂上のオキの耳から延びる東尾根(ひがしおね)と、一ノ倉岳から延びる一ノ倉尾根に抱かれた幅約800メートルに及ぶ岩壁の部分をいう。マチガ沢、幽ノ沢(ゆうのさわ)とともに険しい岩場の急崖(きゅうがい)であるが、谷川岳の沢登り、岩登りでは、この沢を登る一ノ倉岳への登山者がもっとも多い。ここは天気が激変しやすく、雪解けが遅く、雪崩(なだれ)や豪雨や濃霧があり、谷川岳の登山コースのうち、この一ノ倉沢がもっとも難所である。1931年(昭和6)現JR上越線全通以来2001年(平成13)までに谷川岳で779人の遭難者を出しているが、なかでも一ノ倉沢がもっとも多い。1967年県制定の谷川岳遭難防止条例でこの沢が危険指定地域に含まれた。

[村木定雄]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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