みなかみ

改訂新版 世界大百科事典 「みなかみ」の意味・わかりやすい解説

みなかみ[町]

群馬県北端,利根郡の町。2005年10月月夜野(つきよの)町,水上(みなかみ)町と新治(にいはる)村が合体して成立した。人口2万1345(2010)。

みなかみ町南東部の旧町。利根郡所属。人口1万1245(2000)。利根川上流に位置し,沼田市の西に接する。中心集落の後閑は利根川と赤谷川の合流点付近にある交通の要地で,JR上越線,国道17号線が通じる。コンニャクや葉タバコが栽培されるが,リンゴやシイタケ,野菜の生産がふえている。1982年上越新幹線上毛高原駅が開業し,85年には関越自動車道月夜野インターチェンジが設けられ,交通条件が急速に整備されている。戦国時代の山城名胡桃(なくるみ)城跡や江戸時代初期,領主の暴政を将軍に直訴し,はりつけに処せられた杉本茂佐衛門をまつる千日堂がある。水上温泉郷に属する上牧温泉,奈女沢温泉がある。

みなかみ町南西部の旧村。利根郡所属。人口7582(2000)。利根川の支流赤谷川の最上流域を占め,三国山脈を隔てて新潟県と接する。村域の大半は山林で,かつては養蚕が中心だった。近年は畜産がふえている。江戸時代には三国街道が通じ,須川,永井は宿場町として栄え,猿ヶ京には関所が置かれた。赤谷川につくられた赤谷湖(相俣ダム)北岸には猿ヶ京温泉があり,三国トンネルの完成と国道17号線の整備によって,1960年代以降,温泉保養地として発展した。そのほか法師温泉をはじめ湯宿(ゆじゆく),川古(かわふる)の温泉がある。下新田には講談《塩原多助一代記》で有名な江戸の豪商塩原多助の生家跡がある。村域の北部は上信越高原国立公園に含まれる。
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みなかみ町中北部の旧町。利根郡所属。人口6252(2000)。利根川本流の最上流部を占め,三国山脈の南東側の断崖を含む。西に谷川岳,東に武尊(ほたか)山を望み,奥利根湖,洞元湖,藤原湖の奥利根三湖がある。1931年に上越線が開通してから温泉街が発達し,上信越高原国立公園観光の拠点となった。中心の水上温泉(含ボウ硝セッコウ泉,42~50℃)は上越沿線最大の観光地の一つとなっている。また町域には利根川本・支流沿いの上牧(かみもく),奈女沢(なめさわ),谷川,大穴,湯檜曾(ゆびそ),さらに上流の宝川湯ノ小屋など水上温泉郷に属する諸温泉がある。1985年には関越自動車道水上インターチェンジが開設され,岩登りの一の倉沢や天神平,ホワイトバレー,水上高原などのスキー場もあって観光客が増加している。温泉街を中心とする商業のほか,花卉,野菜,シイタケ,ナメコなどの栽培も行われている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「みなかみ」の意味・わかりやすい解説

みなかみ(町)
みなかみ

群馬県北部、利根郡(とねぐん)にある町。2005年(平成17)、利根郡月夜野町(つきよのまち)、水上町(みなかみまち)、新治村(にいはるむら)が合併して成立。町域は利根川水系の最上流域を占める。北東―南西方向に谷川(たにがわ)連峰をはじめとする三国(みくに)山脈の山々が連なり、新潟県との県境、分水嶺をなす。山岳地帯は上信越高原国立公園の指定域。JR上越新幹線、JR上越線、関越自動車道、国道17号、291号が通じ、上越新幹線の上毛高原(じょうもうこうげん)駅、関越自動車道の月夜野、水上の各インターチェンジがある。利根川および支流の上流域には、奥利根湖(矢木沢ダム)、洞元湖(どうげんこ)(須田貝ダム)、ならまた湖(奈良俣ダム)、藤原湖(藤原ダム)、赤谷湖(相俣ダム)などの人造湖があり、首都圏の水瓶として重要な役割を担っている。農林業は、かつては養蚕、稲作が中心であったが、近年はコンニャクイモ、シイタケ、リンゴやサクランボなどの果樹栽培も盛ん。水上温泉郷、猿ヶ京三国温泉郷(さるがきょうみくにおんせんきょう)、月夜野・上牧温泉郷(つきよのかみもくおんせんきょう)など良質な温泉が多数あり、また谷川岳などの山岳、照葉(てりは)峡などの渓谷、奥利根水源の森など、豊富な観光資源に恵まれ、現在は観光業が主力産業。月夜野地区にある縄文時代後期から終末期の集落遺跡、矢瀬遺跡(やぜいせき)は国指定史跡。同じ月夜野地区の利根川段丘上には、豊臣秀吉に関東侵攻(小田原攻め)のきっかけ与えたことで知られる名胡桃城跡(なぐるみじょうあと)がある。川場(かわば)村から移築・復原した旧戸部(とべ)家住宅は18世紀初頭の農家で、開口部の少ない古式を残し、国指定重要文化財。利根川最上流部の藤原(ふじわら)地区にある雲越家の家屋、および同家に伝えられた生活用具は、山間農家の実態をよく具現しており、「上州藤原(旧雲越家)の生活用具及び民家」の名称で国指定重要有形民俗文化財。面積781.08平方キロメートル、人口1万7195(2020)。

[編集部]


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百科事典マイペディア 「みなかみ」の意味・わかりやすい解説

みなかみ[町]【みなかみ】

群馬県北部に位置する利根郡の町。北は新潟県に接する。利根川の水源地であり,水上温泉郷,谷川岳がある。2005年10月,利根郡月夜野町,水上町,新治村が合併し町制。JR上越線,上越新幹線,国道17号線,291号線,関越自動車道が通じる。781.08km2。2万1345人(2010)。
→関連項目玉原[発電所]

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