知恵蔵 「一億総活躍社会」の解説
一億総活躍社会
具体的には、同時に発表したアベノミクスの新しい「3本の矢」を軸に、経済成長、子育て支援、安定した社会保障の実現を目指している。経済面は、「希望を生み出す強い経済」により、東京五輪が開催される20年頃にGDP600兆円を達成。子育ては、「夢をつむぐ子育て支援」により、希望出生率を1.8(現在は1.4前後)まで回復。社会保障は、「安心につながる社会保障」により、団塊世代が70歳を超える20年代に介護離職ゼロを実現。
以上の目標に向け、新たに「一億総活躍担当大臣」が設置された。初代大臣には、自民党の加藤勝信(女性活躍担当大臣、拉致問題担当大臣他と兼任)が任命されている。具体策は、担当大臣・首相を含む閣僚13人と有識者15人から成る「一億総活躍国民会議(略称・国民会議)」で話し合われる。民間からは、タレントで戸板女子短大客員教授の菊池桃子が選ばれ、大きな注目を浴びている。年内に、法人税引き下げ、低年金者への給付金支給、不妊治療支援、保育施設の拡充、介護休業給付の引き上げ、介護施設の設置基準緩和などの具体案がまとめられ、15年度補正予算にも盛り込まれる予定。
(大迫秀樹 フリー編集者/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報