一字千金(読み)イチジセンキン

デジタル大辞泉 「一字千金」の意味・読み・例文・類語

いちじ‐せんきん【一字千金】

《秦の呂不韋りょふいが「呂氏春秋」を著した時、それを咸陽かんよう城門に置き、1字でも添削できた者には千金を与えようと言ったという、「史記呂不韋伝の故事から》
非常にすぐれている文章筆跡
たとえようのない厚い恩恵。
「―のことわり、師匠の恩は七百歳と説かれたり」〈伽・御曹子島渡

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精選版 日本国語大辞典 「一字千金」の意味・読み・例文・類語

いちじ‐せんきん【一字千金】

〘名〙 (「史記‐呂不韋伝」に、呂不韋が書を著わした時、咸陽の市門に千金と共に掛け、一字でも添削できた者にはその金を与えようと言った故事による)
① 一字だけで千金もの価値があること。詩文の表現や筆跡などを尊重していう語。
※江吏部集(1010‐11頃)中「幸当下問停滞、一字千金万々金」
仮名草子・悔草(1647)下「是以学文の徳なれば、誠に一字(ジ)千金にかへじと也」
師恩の厚いことをたとえていう。
※本朝文粋(1060頃)一四・左相府為寂心上人四十九日修諷誦文〈大江匡衡〉「薫戒香而答恩。一字千金」
御伽草子・御曹子島渡(室町末)「一じ千金(センキン)のことわり、師匠の恩は七百歳と説かれたり」

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