一宮〈桜山慈俊挙兵伝説地〉(読み)いちのみや〈さくらやまこれとしきょへいでんせつち〉

国指定史跡ガイド の解説

いちのみや〈さくらやまこれとしきょへいでんせつち〉【一宮〈桜山慈俊挙兵伝説地〉】


広島県福山市新市町にある神社。1331年(元弘1)の元弘の変のとき、備後(びんご)の豪族宮(みや)氏の一族桜山四郎入道慈俊は楠木正成(くすのきまさしげ)に呼応して、一宮(備後一宮、吉備津(きびつ)神社)の背後にある標高81mの桜山城を拠点に挙兵した。しかし、笠置山が落城し楠木正成も戦死したとの風聞で、味方は離散してしまった。翌年正月、慈俊は一族とともに吉備津神社に放火し、自害したと伝えられる。その伝説地として一宮周辺が、1934年(昭和9)に国の史跡に指定された。城の遺構は桜山の独立丘陵全体に広がっており、周囲の谷部には館跡と思われる平坦地がある。西方鳶尾(とびお)山頂には慈俊を祀った社がある。吉備津神社境内には、1648年(慶安1)に再建された本殿(重要文化財)などの建造物がある。JR福塩線新市(しんいち)駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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