一日晴(読み)イチニチバレ

デジタル大辞泉 「一日晴」の意味・読み・例文・類語

いちにち‐ばれ【一日晴】

儀式服装などを、その日に限り、格式をこえて立派に飾ること。
その日、その時だけに用いるもの。ふだんと変わったもの。
「―のかり小袖」〈浮・好色訓蒙図彙・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「一日晴」の意味・読み・例文・類語

いちにち‐ばれ【一日晴】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 臨時行幸祭りの使いなどの特殊な日に限って、公卿以下、袍(ほう)の位色のほかは、好み地質、色目、文様を用い、付属の調度、乗り物にも風流の好みを尽くすのを許されること。一日晴の装束(そうぞく)いちじつはれ。
    1. [初出の実例]「凡唐装束は一日晴と称して、尋常に替り侍るなり」(出典:装束抄(1577頃))
  3. ( 庶民の間に伝わって ) その日一日のために晴着を着たり、特別の器具や飾りを用いたりすること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「あさがほや一日晴(ハレ)のあやの紋〈徳元〉」(出典:俳諧・毛吹草(1638)六)

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世界大百科事典(旧版)内の一日晴の言及

【下襲】より

…近世における天皇,皇太子の冬の地質は表が小葵(こあおい)綾,裏が立遠菱深蘇芳綾,親王,公卿の表が臥蝶(ふせちょう),殿上人が無文綾で,公卿,殿上人とも裏の蘇芳が黒に変わった。なお,行幸の供奉(ぐぶ)などには,その当日のみ好みの地質を使用し,その装束を一日晴(いちにちばれ)と称した。【高田 倭男】。…

※「一日晴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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