ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一然」の意味・わかりやすい解説
一然
いちねん
Ilyǒn
[没]忠烈王15(1289)
朝鮮,高麗の僧。『三国遺事』の著者。姓,金。名,見明。号,無極,睦庵。一然は字。高宗 14 (1227) 年僧科に及第,同 24年三重大師,同 46年大禅師にいたった。忠烈王2 (76) 年王命により雲門寺の住持となり,同7年王に法説を講論,2年後国尊に推戴され円径 (鏡) 冲照の号を贈られた。雲門寺に事績碑がある。『三国遺事』には,朝鮮古代の神話,民間説話のほか,新羅時代の郷歌 (ヒャンガ) 14首 (吏読〈りとう〉で表記) が収録されていて,朝鮮古代文化研究の貴重な資料となっている。諡号は普覚。
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