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三国遺事 さんごくいじSamguk-yusa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

三国遺事
さんごくいじ
Samguk-yusa

朝鮮,古代三国 (新羅高句麗百済) についての古記録を収集した書物。 13世紀後半の僧一然 (普覚国師) の晩年の撰述で,原版は残っておらず,中宗7 (1512) 年の再刊本,天理図書館所蔵の今西本 (5巻9編) が現存する。編目の立て方は中国の仏書に似ており,内容は仏教関係が中心であるが,単なる仏教書ではなく,「檀君説話」や「駕洛国記」や「王暦」のように歴史的にも重要な記述がある。また 14首の郷歌 (ヒャンガ) は日本の『万葉集』にも比すべきものとして評価が高い。 1964年学習院東洋文化研究所から今西本が影印刊行され,また訳本も日本,韓国,北朝鮮でそれぞれ刊行されている。

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百科事典マイペディアの解説

三国遺事【さんごくいじ】

古代朝鮮の私撰史書。5巻。著者は高麗の僧一然〔1206-1289〕。高句麗百済新羅の三国の雑史を,王暦・紀異・興法・塔像・義解神呪・感通・避隠・孝善の9篇に分けて収録している。
→関連項目檀君

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世界大百科事典 第2版の解説

さんごくいじ【三国遺事】

新羅史を中心とした古代朝鮮の私撰の歴史書。高麗の高僧一然(1206‐89)が,1280年代に編纂し,弟子の無極が補筆。5巻9編からなり,第1巻は王暦・紀異,第2巻は紀異,第3巻は興法・塔像,第4巻は義解,第5巻は神呪・感通・避隠・孝善の諸編。第1巻,第2巻は年表,新羅通史,諸国の個別の歴史記事。第3巻以降は仏教史関係の記事で,その構成は梁・唐両高僧伝の影響をうけながらも,朝鮮仏教史の特徴を生かしている。

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大辞林 第三版の解説

さんごくいじ【三国遺事】

朝鮮の史書。五巻。高麗の僧、一然(1206~1289)の撰。「三国史記」に漏れた新羅しらぎ・百済くだら・高句麗こうくりの遺聞を集める。仏教関係の記述が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

三国遺事
さんごくいじ / サムグクユサ

朝鮮の新羅(しらぎ)、高句麗(こうくり)、百済(くだら)三国の遺聞逸事(いぶんいつじ)を記した書籍。高麗(こうらい)時代の高僧一然(いちねん)(1206―89)晩年の著作で、弟子の無極が一部補筆。5巻。巻頭に年表としての王暦を置き、以下、紀異第一、同第二、興法、塔像、義解、神呪(しんじゅ)、感通、避隠、孝善の9編に分かれる。興法編以下はほとんど仏教関係記事である。『三国史記』にみえない、あるいは異なる所伝も多く、朝鮮古代研究の基本史料である。李朝(りちょう)中宗代(1506~44)の慶州刊本が影印されて流布している。[田中俊明]
『金思訳『完訳三国遺事』(1976・朝日新聞社) ▽三品彰英遺撰『三国遺事考証』上中(1975、79・塙書房)』

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世界大百科事典内の三国遺事の言及

【郷歌】より

…詞脳(詩悩,思内)歌,兜率歌などともいう。《三国遺事》に14首,別に均如(新羅末~高麗初の高僧。917‐973)の作った賛歌〈普賢十種願王歌〉11首が今日伝わっている。…

【檀君】より

…名は王倹。高麗時代に編まれた《三国遺事》では,檀君王倹をどの王朝の始祖王ともしないで,朝鮮全土の開国神・始祖神としてとりあげた。この神話の要旨は,帝釈桓因(たいしやくかんいん)の子桓雄が熊女と結婚し,檀君王倹が生まれた。…

※「三国遺事」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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