三上藩陣屋跡(読み)みかみはんじんやあと

日本歴史地名大系 「三上藩陣屋跡」の解説

三上藩陣屋跡
みかみはんじんやあと

[現在地名]野洲町三上

三上山西麓、字山出やまでに置かれた三上藩遠藤氏の政庁跡。現在も長屋の一部が残っている。常陸・下野両国で一万石を領していた遠藤但馬守胤親は元禄一一年(一六九八)、近江国滋賀・野洲・栗太くりた甲賀各郡の一万石に領地替えされ、三上村に陣屋を置いた。胤親は将軍徳川綱吉の側室瑞春院お伝の方の妹の子で、元禄五年直系の絶えた遠藤家を継いだ。胤親の後の歴代藩主は奏者番・大番頭・大坂城定番などをつとめ、天保一二年(一八四一)五代胤緒は若年寄昇進、万延元年(一八六〇)には城主格に列せられた。六代胤城は講武所奉行、陸軍奉行並、奏者番などを歴任している。遠藤氏は参勤交代をしない定府の大名であるから藩士の多くは江戸におり、陣屋に駐在する藩士には三上近郷の郷士が取りたてられた。

当初の領地は滋賀郡一〇ヵ村二千九七六石余・野洲郡八ヵ村四千三三三石余・栗太郡五ヵ村一千七三二石余、甲賀郡四ヵ村九五七石余の、計二七ヵ村一万石であった(元禄一二年「領知目録」遠藤文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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