ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パウルス2世」の意味・わかりやすい解説
パウルス2世
パウルスにせい
Paulus II
[没]1471.7.26. ローマ
ベネチア出身の第211代教皇(在位 1464~71)。本名 Pietro Barbo。1440年,教皇エウゲニウス4世(在位 1431~47)から枢機卿(→カーディナル)に任命され,1464年8月に教皇に選出された。高位聖職者たちに教皇の権威を主張して教会の改革を拒絶し,一部の枢機卿と敵対した。フランスの教会の自由を定めた「ブールジュの国事詔書」(1438)を繰り返し非難し,フランス王ルイ11世(在位 1461~83)との関係を悪化させた。また,フス派との宗教闘争で弱体化していたボヘミアの教会に目を向け,フス派を合法化したバーゼル公会議の宣言を骨抜きにしようと努めた。1466年12月,フス派の分派である両形色派(→両形色論者)を容認したとして,ボヘミア王イジー(在位 1458~71)を破門し廃位した。ハンガリー王マーチャーシュ1世コルウィヌス(在位 1458~90)をイジーに宣戦するようしむけ,1469年3月,モラビアの大部分を征服したマーチャーシュ1世をボヘミア王として即位させた。
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