三富村(読み)みとみむら

日本歴史地名大系 「三富村」の解説

三富村
みとみむら

面積:一三四・九一平方キロ

東山梨郡北端に位置し、北は秩父ちちぶ山地を隔てて埼玉県秩父大滝おおたき村・長野県南佐久みなみさく川上かわかみ村、東から南にかけては塩山市、西は牧丘まきおか町。秩父多摩国立公園の中心にあり、甲武信こぶしヶ岳(二四七五メートル)国師こくしヶ岳(二五九一・八メートル)乾徳けんとく(二〇一六メートル)雁坂かりさか(二〇八二メートル)西沢にしざわ渓谷徳和とくわ渓谷・広瀬ひろせダムなど自然の美を観光資源としている。笛吹川沿いの国道一四〇号は雁坂峠を越えて大滝村に通ずるが、明かずの道として通行不能となっていた。しかし雁坂トンネルの完成によりこの間六キロ余が結ばれた。開通は平成九年(一九九七)の予定。

和名抄」に記載される山梨郡加美かみ郷に含まれたと考えられる。鎌倉時代末期、夢窓疎石は恵林えりん(現塩山市)開創にあたり、乾徳山に登り修行を行ったと伝える。永禄七年(一五六四)武田信玄はかねてより私淑する快川紹喜を招請、同寺再住を求めるに先立って、前年あらかじめ寺領寄進に備えて検地を行っている。信玄はこれをもとに寺領二〇〇貫文余ほかを寄進し、同寺を自らの菩提寺と定めている。同六年一〇月吉日の恵林寺領穀米并公事諸納物帳や同年一一月吉日の恵林寺領検地日記には当村域内の地名が各所にみられ、当時は恵林寺領であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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