三月法(読み)さんがつほう(その他表記)Märzverfassung; March Laws

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三月法」の意味・わかりやすい解説

三月法
さんがつほう
Märzverfassung; March Laws

四月法とも呼ばれる。 1848年ハンガリー革命の開始当初に制定された一連の自由主義的改革立法。フランスの二月革命,ウィーンの三月革命に触発されて,当時ポジョニー (現スロバキアのブラチスラバ) で開会中のハンガリー国会下院は,コシュート提唱により,オーストリアの専制的体制に対する民族主義的自由主義的な一連の改革法案を審議,民衆行動による圧力も加え,上院貴族の反発を退けて,通過させた。そのおもな内容は,言論信仰の自由の保障,教育の民主化,陪審制の採用,議会の毎年開会,封建的諸特権の有償廃止,トランシルバニア併合などであった。問題をはらんでいたのは,財産資格制限によって地主階級の手に政治指導をゆだねようとする選挙法と,マジャール中心主義による国内異民族の無視であった。同年4月 11日神聖ローマ皇帝フェルディナント1世も,この改革法をやむなく承認したが,国内異民族の反対を利用してまもなく反革命的干渉を開始した。革命派は王政廃止,諸民族対等などの改革を徹底させたものの,49年9月反革命側に制圧された。革命の敗北後,改革法は無効とされたが,67年の「アウスグライヒ (和協) 」後,その理念のいくつかが日の目を見た。

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