三船神社(読み)みふねじんじや

日本歴史地名大系 「三船神社」の解説

三船神社
みふねじんじや

[現在地名]桃山町神田

柘榴ざくろ川右岸の三船山西麓に鎮座する。祭神木霊屋船こだまやふね命・太玉ふとだま命・彦狭知ひこさしり命。摂社に丹生にう明神社(祭神丹生都姫命)高野こうや明神社(祭神高野御子神)の二社がある。旧村社。当社鎮座の由来について「紀伊国名所図会」や「続風土記」はさまざまな考察をするが、「三代実録」貞観三年(八六一)七月二日条に「授紀伊国正六位上御船神従五位下」とあるのが当社のこととされる。荒川あらかわ荘の鎮守社とされた。応永二〇年(一四一三)七月三〇日の三船ヨタ八幡ヨタ連署起請文(又続宝簡集)に「三船朝拝田一石二斗六升」とある。なお天文五年(一五三六)三月二八日から同六年三月二三日にかけて行われた新築上葺次第が当社に所蔵される。このなかの三船神社造営引付によれば、造営の費用などは三船神社の宮座を構成する荒川荘の人々によって調達され、遷宮には猿楽能なども奉納されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「三船神社」の解説

三船神社

和歌山県紀の川市にある神社。本殿と摂社2社の本殿は国の重要文化財に指定されている。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の三船神社の言及

【桃山[町]】より

…ミカン,ネーブルも栽培され,ジュース工場も立地。神田(こうだ)の三船山西麓に鎮座する三船神社は,かつての荒川荘の鎮守社で,本殿と摂社の丹生(にゆう)明神社,高野明神社の社殿は桃山時代の様式を残す国の重要文化財。【上田 雅子】。…

※「三船神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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