新撰 芸能人物事典 明治~平成 「三遊亭志ん蔵」の解説
三遊亭 志ん蔵
サンユウテイ シンゾウ
- 職業
- 落語家
- 本名
- 田辺 米三郎
- 別名
- 前名=雷門 昇六,古今亭 志ん蔵(2代目)
- 生年月日
- 明治18年 2月18日
- 出生地
- 大阪府 天満
- 経歴
- 大阪天満寺町に生花商の三男として生まれる。落語に凝り、桂文蝶らと同じ天狗連(素人落語)であったが、明治42年女性問題から家出をして上京、5代目雷門助六の門に入り、昇六を名乗る。助六の他に“お化け左龍”と呼ばれた2代目柳亭左龍にも教えを受け、怪談噺に精進。43年助六の3代目古今亭志ん生襲名に伴い古今亭志ん蔵に改名。大阪と東京を行き来するが、関東大震災以後は大阪に定住、吉本興業に所属して桂派の三遊亭円子の内輪となり三遊亭志ん蔵を名乗る。円子と組み日本各地を巡業、「四谷怪談」「牡丹灯篭」「お岩」「二人お岩」といった怪談噺が十八番で、夏のみならず一年中演じたことから“幽霊志ん蔵”、また夏しか売れない冷やし飴に喩えられ“冷やし飴志ん蔵”の異名をとった。手先が器用で幽霊やお化けの面を自作したほか、華道・遠山流の免許を持ち、カット画にも見事な腕前を見せた。晩年交通事故で足を骨折したことから高座に上がれなくなり、桂米朝の世話で松原市の大阪養老院に入った。
- 没年月日
- 昭和39年 10月10日 (1964年)
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報