コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

家出 イエデ

4件 の用語解説(家出の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

いえ‐で〔いへ‐〕【家出】

[名](スル)
帰らないつもりでひそかに家を出ること。「都会にあこがれて家出する」「家出人」
外出すること。
「さびしさに―しぬべき山里を今宵の月に思ひとまりぬ」〈詞花・雑上〉
僧になること。出家。
「世の中を憂しと思ひて―せし我や何にか帰りてならむ」〈・三二六五〉

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

いえで【家出】

家族のある成員が無断で家族から逸脱する行動。家出の動機は大まかに二つに分けられる。(1)精神的緊張や欲求不満を家族から離れることによって消極的に解消しようとするもの。家族員間における不和葛藤,価値観の対立,あるいは仕事・学校関係における人間関係の破綻などから家出する場合である。当人は家族あるいはその環境にいづらくなり,匿名性の高い場に逃避することによって問題を解消しようとするのである。(2)自己の目的を達成するために積極的に家族を放棄するもの。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

いえで【家出】

( 名 ) スル
ひそかに自分の家を出て、帰らないこと。出奔しゆつぽん。 「 -して都会に出る」
外出。 「さびしさに-しぬべき山里を/詞花 雑上
僧になること。出家。 「世の中を憂しと思ひて-せし/万葉集 3265

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

家出
いえで

家族成員の誰かが他の家族成員に無断で家庭から抜け出ること。なお、養護施設からの家出のように、厳密な意味では上記定義に当てはまらないものの、社会的に大きな問題となっている例もみられる。そもそも「家族」や「家庭」の定義が時代や文化によって一様ではないこともあるが、いずれの場合もやはり「家族」や「家庭」をめぐる社会病理現象である点で、「家庭」や「家族」関係からの離脱という大きな理解枠組み自体は現代でも有効であるといえる。[竹中祐二]

家出の型

家出の型についてはさまざまな分類が論じられており、その多くは、家出の動機、家出および帰宅の意志、性格傾向、当事者が抱える問題背景、年齢層等によって整理されている。たとえば、家庭、学校、職場での不満や葛藤(かっとう)が高じて現状に耐えられず、そこから逃れようとする「現状逃避型」、自分自身は家庭関係に問題がないのに、友人などの悩みや不幸に同情してなされる「他人同情型」、家庭関係自体には問題は少ないが、味気ない生活に嫌気がさすか、都会に対するあこがれなど、なんらかの欲求充足のためになされる「欲求充足型」など、時代や年齢、性別を超えて共通する類型がある。またその反面、「精神病理型」「出稼ぎ遺棄型」「非行関係型」等のように、問題となる論点をめぐる社会の反応が時代とともに変化しているもの、あるいは社会の変化に伴ってそういった行動様式がとられなくなっているものなどもあり、時代背景に応じた分類と理解が必要である。ただし、家出に関する統計自体に制約があること、それゆえ分析においても一定の限界が生じること、また単一の要因によってではなくさまざまな事情が重なり合った結果として家出が行われること、などの制約を受けることについては広く認められているところであり、注意が必要である。
 なお家出は、蒸発、無断外泊等の現象とあわせて論じられることが多かった。現代では帰属集団をもたず孤立する「無縁社会」化や引きこもり等が新たな社会病理現象として認識されてきている。集団関係からの離脱を積極的に選択する、もしくは選択せざるをえない状態に追い込まれるという点では、家出も同様の問題性を有しているといえる。さらに、2000年代以降大きな社会問題となっている自殺について、家出との関係が深い点には古くから言及されており、社会病理学的にはけっして無視できない問題である。[竹中祐二]

家出の実態

2010年(平成22)から、警察庁は捜索等に関する「家出人」という名称を「行方不明者」へと変更し、すでに述べたような孤立化、無縁社会化が進む社会情勢への対応を図っている。2001年から2003年に警察が行方不明者届を受理した人数は年間10万人を超えていたが、2011年には8万1643人となっており、一貫して減少傾向にある。男女別にみると、1982年(昭和57)以来、男が女を上回っており、2011年では男は62.5%と女より約2万人多いが、1999年(平成11)ごろからおおむね2万人前後の差で推移している。年齢別では、19歳以下が1万9056人(全体の23.3%)といちばん多く、次いで70歳以上、20歳代、30歳代の順となっている。これを人口比でみると、20歳代、19歳以下、70歳以上、30歳代の順となっている。他の年代が減少傾向にあるのに対して、70歳以上のみ増加傾向にある。
 家出の原因・動機は、捜索願の資料の関係上「その他」が多いのが問題であるが、男女、年齢を通じて全体的には家庭関係が特徴的に多い。過去には性別による動機の分類があったが、2011年のデータでは明らかにされていない。
 70歳以上の家出が多いことについては、社会全体の高齢化が影響していることが容易に推測される。19歳以下の家出が多いことについては、携帯電話やインターネット・カフェ、出会い系サイトの普及が影響していると考えられ、「神待ち」と称して住居や食事を提供してもらう相手を探す例がある。その他、「プチ家出」として短期間の家出を繰り返したり、窃盗や強盗、もしくは違法業種への低年齢での従事によって生活費を稼いだりするなど、非行全般の動向とも密接に関係している。[竹中祐二]
『市岡典三・藤本和男著『家出相談』(1974・大成出版社) ▽小関石男著『家出――その生々しい事実の記録』(1975・日本経済通信社) ▽竹内郁郎編『「家出」に関する研究』(1993・東洋大学社会学研究所) ▽鈴木大介著『家のない少女たち――10代家出少女18人の壮絶な性と生』(2008・宝島社) ▽野々山久也編『論点ハンドブック家族社会学』(2009・世界思想社) ▽鈴木大介著『家のない少年たち――親に望まれなかった少年の容赦なきサバイバル』(2011・太田出版)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

家出の関連キーワード家族従業者遺家族成員大家族いい5世代家族の日家族カタログ家族の週間家族経営構成別分類一世代家族経営二世代家族経営

今日のキーワード

カルテット

四重唱および四重奏。重唱,重奏の形態のなかで最も基本的なもので,声楽ではルネサンスの多声歌曲の形式であるシャンソンやフロットラから始り長い歴史をもつ。器楽も同様で,特に弦楽四重奏は室内楽の全レパートリ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

家出の関連情報