内輪(読み)うちわ

精選版 日本国語大辞典 「内輪」の意味・読み・例文・類語

うち‐わ【内輪】

〘名〙
① 家族、仲間など密接な間柄の者どうし。身内仲間内内裏(うちうら)
※上杉家文書‐(享祿四年)(1531)二月二七日・大館常興尚氏書状「次堺辺者、内輪取相共以外之事候き」
滑稽本・八笑人(1820‐49)三「内輪の茶番こそ、すこし意地悪をして」
② 他人に示さない内部事情内幕
洒落本・契情実之巻後編(1804)三「なんだかむつかしい内輪(ウチワ)だから、いい事もあるめいが」
※蛇(1911)〈森鴎外〉「その内輪(ウチワ)を新聞に書かれたくはありません」
③ (形動) 控えめなこと。さしでがましくないさま。うちば。
※人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)四「いかに謙退(ウチハ)に言はるるとて、其(そ)はまた余(あま)りに介意過(ゑんりょす)ぎたり」
④ つま先を内側に向けるさま。また、その足。〔改正増補和英語林集成(1886)〕

ない‐りん【内輪】

〘名〙 円形をなしたうちがわ。うちの回り。
幻影の盾(1905)〈夏目漱石〉「見詰めたる盾の内輪が、例の如く環(めぐ)り出す」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「内輪」の意味・読み・例文・類語

うち‐わ【内輪】

[名・形動]
外部の者を交えないこと。うちうち。身内。「内輪で祝う」
外部には知らせない内部の事情。内幕うちまく。うちうら。「あれで内輪はだいぶ苦しいそうだ」
控えめなこと。特に、数量金額などを控えめにすること。また、そのさま。「予算内輪に見積もる」
つま先を内側に向けて歩くこと。また、その足。⇔外輪
「―にチョコチョコ運ぶ足では」〈宮本貧しき人々の群
[類語](1)(2こっそり忍びやかそっと秘密内内うちうち内内ないない内部内密内幕内裏うちうら内緒内証内分内聞内情内実隠密おんみつ極秘ごくひ厳秘げんぴ丸秘まるひ機密枢密すうみつ天機機事密事秘事暗部隠し事秘め事みそか事内緒ないしょ秘中の秘みそひそ秘めやか/(3少ない少なめちびちびなけなし一つまみ一握り一抹少し少しく少少ちょっとちょいとちとちっとちょっぴりいささかいくらかいくぶんやや心持ち気持ち多少若干二三少数少量僅僅わずか数えるほどたったただたかだかしばらく低い手薄軽少軽微微弱微微微少僅少些少最少微量一息紙一重雀の涙鼻の差残り少ないちょこっとちょこんとちょっこりちょびちょびちょびっとちょぼちょぼちょろりちょんびりちょんぼりちらり爪の垢小口ささやか寸毫プチ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android