三馬郷(読み)みまごう

日本歴史地名大系 「三馬郷」の解説

三馬郷
みまごう

和名抄所載の郷。諸本に「美万」と訓ずる。郷域は、金沢市三馬みんま町から伏見ふしみ川に架かる二万堂にまんどう橋辺りまでに限定する説(三州地理志稿・加賀志徴)と、二万堂橋の下流域にまで広がっていたとする説に分れる。後者の説に立てば郷域は三馬町から同市米泉よないずみ町・西泉にしいずみ町一帯まで広がっていたことになり、いずれにせよ伏見川中流域の沖積平地を中心としていたようである。「日本霊異記」下巻第一四によると、神護景雲三年(七六九)三月二七日、越前国加賀郡で山林修行中の優婆塞小野庭麿が御馬河里で浮浪人の長に捕らえられて課役を強制されたが、千手陀羅尼の効験によって難を逃れることができたとの説話がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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