浮浪人(読み)フロウニン

デジタル大辞泉 「浮浪人」の意味・読み・例文・類語

ふろう‐にん〔フラウ‐〕【浮浪人】

浮浪者」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「浮浪人」の意味・読み・例文・類語

ふろう‐にんフラウ‥【浮浪人】

  1. 〘 名詞 〙ふろうしゃ(浮浪者)
    1. [初出の実例]「発陸奥国浮浪、造桃生城」(出典続日本紀‐天平宝字二年(758)一〇月甲子)
    2. [その他の文献]〔隋書‐食貨志〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浮浪人」の意味・わかりやすい解説

浮浪人
ふろうにん

律令制下の農民口分田 (くぶんでん) を捨て,本貫 (ほんがん) の地を離れ,他国他郷を流浪する者や無籍者をいう。発生の原因は重税で特に庸・調などをはじめとする労役の過重にあった。政府国司に命じてその発生防止をはかり,浮浪先で庸・調の収取を行い,戸籍に編入する政策をとったが効果はなく,むしろ次第に増加し,彼らの多くは権門勢家の荘園に流入し,やがて荘園の生成に重要なかかわりをもった。

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百科事典マイペディア 「浮浪人」の意味・わかりやすい解説

浮浪人【ふろうにん】

古代,律令制下で本籍地を離脱して流浪したり,他所に居住したりする者。課税を免れやすいので取締りの対象となった。浮浪が他所にあって課税をすべて納めるのに対し,課税を逃れると逃亡とされ,浮浪とあわせて浮逃(ふとう)と呼ばれた。律令体制への反抗の一形態とされる。
→関連項目荘園(日本)

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世界大百科事典(旧版)内の浮浪人の言及

【平民】より

…《令義解(りようのぎげ)》で〈家人(けにん),奴婢(ぬひ)〉について〈すでに平民に非ず〉といわれているように,賤民である家人や奴婢は平民身分から除外された。また公民の籍帳から外れた浮浪人も平民とはみなされなかったが,浮浪帳に編付され調庸を負担している浮浪人は,弘仁年間(810‐824)の太政官符により水旱不熟の年には平民に準じて調庸が免除されることになった。やがて籍帳による支配の崩壊にともなって公民と浪人の区別がなくなり,公田を請け負って経営する大小の田堵(たと)百姓らが一般に公民,平民と呼ばれるに至り,荘民・寄人(よりうど)や下人(げにん)・所従(しよじゆう)との区別が生まれてくる。…

※「浮浪人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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