上げ板(読み)あげいた

精選版 日本国語大辞典 「上げ板」の意味・読み・例文・類語

あげ‐いた【上板・揚板】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 釘付けしないで、自由に取りはずしができるようにした床板台所床下を物入れに利用する場合などに用いる。あげぶた。
    1. [初出の実例]「数も限らぬ千両箱つみ上(あげ)つみ上、上板もしはるばかりに並べおく」(出典浄瑠璃伽羅先代萩(1785)一)
  3. 江戸時代、歌舞伎劇場の舞台と花道と接合する所の左右の板敷蝶番(ちょうつがい)開閉を自在にし、小道具などをせりあげられるようにしてある。〔楽屋図会拾遺(1802)〕
  4. 風呂場などで、コンクリートの上に置く簀子(すのこ)の板。
    1. [初出の実例]「上げ板を叩いて『番頭さん熱いよ』とうめ湯をたのんだり」(出典:旧聞日本橋(1935)〈長谷川時雨〉蕎麦屋の利久)

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