上供(読み)じょうきょう(その他表記)shàng gòng

改訂新版 世界大百科事典 「上供」の意味・わかりやすい解説

上供 (じょうきょう)
shàng gòng

中国,唐・宋時代に頻用された財政用語。地方から中央政府租税などを上納すること。先秦時代には地方の権力者が中央の王=天子献上するものは人と物を問わず貢と称した。この言葉は後世まで地方官個人や外国から皇帝への献上の場合に使われる。漢代以後,地方から中央への上納は委輸などと呼ばれ,しだいに整備されていったが,制度面では未熟であった。上供の名称は8世紀初めからあらわれる。780年(建中1)の両税制(両税法)実施以後,地方の両税収入は,中央収入の上供,節度使に送る送使,その地で使う留州に三分された。節度使の権力が増大すると上供は減少したが,専売税,酒税などは多く上供に回った。節度使体制を崩壊させた宋王朝は,上供を著しく増大させ,財政の中央集権化を進め,各地方の上供額を決定し,無額上供と呼ぶ付加的な上供も作った。明代以後になると,財政の中央集権化は当然の姿となり,上供の名は,里甲が負担する宮中御用品貢献の呼称に変わってしまう。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上供」の意味・わかりやすい解説

上供
じょうきょう
Shang-gong; Shang-kung

中国の財政制度。地方の租税の一部を中央に上納すること。古くは封建諸侯が領内産物の一部を天子に贈ることを貢といい,その後,地方賦税の一部を中央政府に贈ることを上供と称するようになった。

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