上大野城跡(読み)かみおおのじようあと

日本歴史地名大系 「上大野城跡」の解説

上大野城跡
かみおおのじようあと

[現在地名]阿南市上大野町

標高一四三メートルの山頂に築かれた中世の山城跡。富士山形に尖った山で、西麓を那賀なか川が流れ、西と南は急斜面である。山頂には三段の曲輪があり、西方が最も高くなっていて、ここに城山しろやま神社が祀られている。さらに周辺には小さい曲輪や竪堀・堀切が設けられている。城山北方約一キロの山裾にある八幡神社付近は堀之内ほりのうちとよばれていて、ここが平時城主の里城であったと推測される。戦国時代には仁木伊賀守が居城したという。また当城とは別に大野城(中大野城)があり、仁木右衛門がいたとされる(古城諸将記)。しかし当城と中大野城の城主は「城跡記」「阿波志」などで違っていて、諸書によって混同がみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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