上小鹿野村(読み)かみおがのむら

日本歴史地名大系 「上小鹿野村」の解説

上小鹿野村
かみおがのむら

[現在地名]小鹿野町小鹿野

現小鹿野町の中央、荒川の支流赤平あかびら川の左岸に位置し、北は上吉田かみよしだ(現吉田町)、東は下吉田村(現同上)・下小鹿野村、南は赤平川を境に伊豆沢いずさわ村、西はすすき(現両神村)下飯田しもいいだ村。下小鹿野村から西に向かう往還が村内を横断する。この道は村の西で分岐し、一方は下飯田村、もう一方は薄村へと通じた。村の中ほど、同往還沿いに一二〇軒ばかりが軒を並べる町並があり、かみ・中・したの三町に分れていた。この町場は小鹿野町とも唱えられ、五・一〇の日の六斎市が立ち、絹・横麻などの諸品の交易が行われていた(風土記稿)。古くは下小鹿野村と一村で、小鹿野村・小鹿野郷などと称していたが、元禄郷帳作成時までに上・下の二村に分村したという(風土記稿)。小鹿野の地名を古代の秩父郡巨香こか(和名抄)の遺称とする説もある。丹党系図(諸家系図纂)では丹党中村冠者時重の裔時景が当地の開発領主となって小鹿野氏を号している。

元和元年(一六一五)の年貢割付状(田家文書)には「小鹿野之郷」とあり、下小鹿野村と合せて本高は二一四貫三六八文。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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