上岡郷(読み)かみおかごう

日本歴史地名大系 「上岡郷」の解説

上岡郷
かみおかごう

和名抄」に記載される揖保いぼ上岡かむつおか郷の郷名を継承したとみられる中世の郷。文永一〇年(一二七三)一〇月日の伊和社神官・講衆等愁訴状(伊和神社文書)によると、同年六月伊和いわ神社(現宍粟郡一宮町)野口のぐち(現山崎町)の雑掌・公文が先例を無視して揖保川を汚し、清祓を行おうとした同社に対し狼藉を働いたとして訴えた。このとき同社は先例として上岡郷の公文真正の狼藉に関する書類を訴状に添付しており、以前に当郷公文が伊和神社の神意に反する行為を行ったことが知られる。


上岡郷
かむつおかごう

「和名抄」所載の郷。訓は高山寺本は「加无乃乎加」、東急本は「加无都乎加」。「播磨風土記」に上岡里があり、もとは林田はやしだ里に属していたと記される。地名は出雲国の阿菩大神が大和三山(畝火・香山・耳梨)の争いを諫止しようと当地まで来たが、争いが終わったと聞き乗っていた船を覆してその上に鎮座した。それ故に「神阜」と名付けた。阜の形は船を伏せた形に似ているという。この説話は当地が出雲と大和を結ぶ幹線路として機能していたことをも示す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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