上平屋村(読み)かみひらやむら

日本歴史地名大系 「上平屋村」の解説

上平屋村
かみひらやむら

[現在地名]美山町大字上平屋

平屋一〇ヵ村の一。由良川上流右岸に位置し、若狭(小浜)街道に沿った山間集落。川の上流(北東)安掛あがけ村、下流(南西)は下平屋村、対岸野添のぞえ村・長尾ながお村。教誓きようせい寺境内の台地にある上平屋遺跡から、弥生時代の磨製石斧(太型蛤刃)が出土している。古代は「和名抄」に記す弓削ゆげ郷に属し、中世は野々村ののむら庄の地。

慶長七年(一六〇二)幕府領、元和五年(一六一九)園部藩領となる。元禄一三年(一七〇〇)丹波国郷帳によると、高一六四・一石。旧高旧領取調帳では一九六・七四六石。生業は農業を主とし、林業養蚕製茶のほか箪笥製造なども営んだ。当地方は冬期は積雪が多く野外労働はできず、適当な屋内副業もなかったが、弘化年間(一八四四―四八)平井平助・平井与兵衛の二人が、京都より箪笥の名工利助・箪市を招いて製法を学び、村に工場を設けて広く村民に伝授した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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