上畑野川村(読み)かみはたのかわむら

日本歴史地名大系 「上畑野川村」の解説

上畑野川村
かみはたのかわむら

[現在地名]久万町上畑野川

畑野川村の分村。久万川の東の谷を流れる有枝ありえだ川の上流域にある。

慶安元年伊予国知行高郷村数帳(一六四八)浮穴郡の項に「畑ノ川村 林山少有、野山有」とある。明治初年の「地理図誌稿」畑野川村の記事に「耕地ノ開ケタル事、久万山中当村ニ及ブ者無シ」とあるように明神みようじん村・久万町くままち村などに匹敵する田の多い村である。

松山城主加藤嘉明から久万山くまやま六千石を知行地として受けた佃十成が元和年間(一六一五―二四)に畑野川村を上下二村に分け、それぞれに庄屋を配置した。年貢取立ての徹底を期するためであったが水利・耕地などにつき従来の慣行が二村に分断されるため村民の苦情多く、松平氏支配となった天和二年(一六八二)一人庄屋制に復し土居三郎右衛門が上下二村の庄屋を兼ね以後世襲となっている(名智本久万山手鑑)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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