上谷貝村(読み)かみやがいむら

日本歴史地名大系 「上谷貝村」の解説

上谷貝村
かみやがいむら

[現在地名]二宮町上谷貝・谷貝新田やがいしんでん

上大曾かみおおぞ村の西、南流する鬼怒川南岸にあり、南はいさはら村。集落は当初鬼怒川左岸に開け、右岸の荒蕪地は江戸時代中期以降開発され新田となった。郷帳類では上谷貝と記されるが、単に谷貝とも称された。文和四年(一三五五)一月二八日の如来堂修理料差文(専修寺文書)に「やかへ」とみえ当地門弟が如来堂(のちの高田専修寺)修理のため五疋を負担している。


上谷貝村
かみやがいむら

[現在地名]真壁町上谷貝

観音かんのん川左岸にあり、東は矢貝やがい村、南は下谷貝村。弘安大田文に「谷貝十五丁」とある。また文和四年(一三五五)一月二八日の如来堂修理料差文(専修寺文書)に「五疋口やかへの惣門弟」とある。「やかへ」は当地のことと思われる。中世真壁氏が支配し、文禄五年(一五九六)の御蔵江納帳(秋田県立図書館蔵)には「高八百壱石九斗六升 此内七十六石七斗八升 荒 定納百貫文 真壁預り上屋かい」とある。

慶長七年(一六〇二)真壁氏は秋田に移り、以後浅野氏領を経て天領旗本領となり、享和三年(一八〇三)の上谷貝村明細帳(藤田家文書)に高九一四・四二五石、反別一二七町九反五畝四歩(田四六町九反六畝八歩・畑八〇町七反五畝二〇歩)、本百姓五八軒、男一六二人・女一一四人、馬一八疋とあり、「田方之儀壱毛作ニ御座候」ともある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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