上館村(読み)かみだてむら

日本歴史地名大系 「上館村」の解説

上館村
かみだてむら

[現在地名]軽米町上館、大野おおの村上館

雪谷ゆきや川中流に位置し、西は雪谷川を境として軽米村北東久慈平くじひら岳・ひめヶ森があり、ここから発する笹渡ささわたり川・増子内ますこない川は西流して雪谷川に合流する。水田と集落は細い沖積地に点在し、その周囲は起伏の緩い丘陵地帯である。中世の城館遺跡として上館・車門くるまかど館・たてさわ館などがある。上館と車門館は天正一九年(一五九一)九戸政実の乱に加わって滅びた工藤右馬助兼綱と車門小左衛門の居館と伝えられる。上館は雪谷川に臨んだ段丘を開析する二本の沢を濠で結んで単郭式とした六〇×一二〇メートルの館跡で、当地西縁に位置する。館の南側に集落があり、来迎らいごう寺と八坂やさか神社がある。また久慈平岳頂上の久慈平神社は南北朝期の創建と伝える。

寛永四年(一六二七)の南部利直知行宛行状(三翁昔語)に村名がみえ、当村の四二石余が八戸弥六郎直義(遠野南部氏)知行地となった。正保国絵図では高一七〇石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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