日本大百科全書(ニッポニカ) 「下刈り」の意味・わかりやすい解説
下刈り
したがり
幼い造林木の生育を妨げる雑草木を刈り取ること。幼い造林木の成長は通常、雑草木の成長に及ばないので、雑草木に覆われ十分な光合成を行うに足る光を与えられず生育が妨げられる。また水や栄養塩類の摂取も、根をよく張っている雑草木と比べ不利となる。このため下刈りが必要となる。しかし、寒さや乾燥の激しい土地に造林された場合、雑草木を取り除くと、造林木周辺の風速増加、湿度低下、気温較差の増大などを招き、下刈りがかならずしも造林木の保護とならない場合もある。下刈りの時期と回数は、方法、造林木の性質、雑草木の生態のほかに、労力などの経済的条件によって決まるが、一般には造林木が雑草木によって覆われなくなるまでの期間行われる。
[蜂屋欣二]