下西郷(読み)しもさいごう

日本歴史地名大系 「下西郷」の解説

下西郷
しもさいごう

南北朝時代からみえる地名。初めは西郷庄のうちで、近世初期の下西郷村は寛永一二年(一六三五)掛川城下を挟んで北西郷村南西郷村に分村したとされることから、中世の領域は現在の下西郷からさか川を挟んだ南方の南西郷にかけての範囲に比定される。嘉暦三年(一三二八)一一月六日の兵部請取状(光明寺古文書)に「かけかわのひかしすくしもさいかうのミなミかたのひやうふ」とみえ、下西郷南方の兵部が所領売買に関係して小高おたか御厨内倉真くらみ郷の上分口入米を請取っている。正慶二年(一三三三)のものとみられる足利尊氏・同直義所領目録(比志島文書)に北条氏の遺領として遠江国の「下西郷」がみえる。明応五年(一四九六)九月二六日、今川氏親は長松ちようしよう院へ「下西郷内仏道寺并五段田」などを寄進し、永正二年(一五〇五)八月五日には同寺に「下西郷内仏堂寺」などを安堵した(ともに「今川氏親判物」長松院文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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