デジタル大辞泉
「下﨟」の意味・読み・例文・類語
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下﨟
げろう
「﨟」は、僧侶(そうりょ)が一夏(げ)九十日の安居(あんご)を終えること(夏﨟(げろう))をいう仏語で、この回数によって受戒後の年数を数えた。本来は、その夏﨟を積むことの少なく、修行の浅い僧の称であったが、転じて、広く官位、身分の下級な者、年功の浅い者をいう。また、「下﨟男」「下﨟侍」「下﨟女房」「下﨟法師」のように、他の名詞の上につけて、身分が低い意を添える。「下﨟の蔵人(くろうど)」は、六位の蔵人の別称である。のちに「下郎」と書いて、人に使役される卑賤(ひせん)の下僕をいい、人をののしる場合にも用いた。対照語に「上﨟(じょうろう)」がある。
[兼築信行]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の下﨟の言及
【女房】より
…上皇以下諸院宮や摂関以下貴族の家に仕える女性も,上級の者は女房と称された。順徳天皇撰の《禁秘抄》などによれば,宮中の女房は,役職や出身によって上﨟・小上﨟・中﨟・下﨟に分けられ,上﨟は二位・三位の典侍(ないしのすけ)(尚侍(ないしのかみ)は事実上消滅)や大臣の女など,小上﨟は公卿の女,中﨟は掌侍・[命婦](みようぶ)で殿上人・諸大夫の女,下﨟は侍や神官などの女であり,これらの区別により服装や職務に差が設けられた。また女房は本名をもってよばれず,官名や国名などをつけてよばれたが,それにも上記の身分に応じて差があった。…
※「下﨟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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