下郎(読み)ゲロウ

デジタル大辞泉 「下郎」の意味・読み・例文・類語

げ‐ろう〔‐ラウ〕【下郎】

《「下﨟」の転じた語》人に召し使われている身分の低い男。男をののしっていう場合にも用いる。「下郎呼ばわりする」
[類語]小姓小者中間草履取り寺男作男

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精選版 日本国語大辞典 「下郎」の意味・読み・例文・類語

げ‐ろう‥ラウ【下郎】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「下臈」の転じた語 ) 人に使われている身分の卑しい男。しもべ。また、人をののしっていう場合にも用いる。
    1. [初出の実例]「此世には五六の少き者や、あやしの下郎迄も皆知り侍るものを」(出典:康頼宝物集(1179頃)上)

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デジタル大辞泉プラス 「下郎」の解説

下郎

1927年公開の日本映画監督脚色伊藤大輔原作:中村藤吉、撮影唐沢弘光出演:阿部五郎、沢村春子、久米譲、金子鉄郎ほか。サイレントの剣劇作品。1955年に『下郎の首』としてリメイクされた。

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世界大百科事典(旧版)内の下郎の言及

【時代劇映画】より

…この作品は,あくまで時代劇ならではの手法を駆使して1人の無法者の流転と敗残の姿を描きつつ,現代的ともいえる人間の感情をなまなましく表現して,時代劇を超える時代劇として絶賛され,以後,日本映画史上の最高傑作の一つとみなされている。また,伊藤大輔は,河部五郎主演《下郎》(1927)で封建的な階級制度を批判して〈傾向映画〉の先駆となるとともに,大河内伝次郎主演《新版大岡政談》(1928)で型破りのヒーロー・丹下左膳を生み出した。一方,大スターが次々に独立していったマキノ映画では,山上伊太郎脚本,マキノ正博(雅弘,雅裕)監督のコンビで,南光明主演《蹴合鶏》《崇禅寺馬場》(ともに1928),南光明,根岸東一郎,谷崎十郎主演《浪人街》三部作(1928‐29),河津清三郎主演《首の座》(1929)と,新鮮な感覚に満ちた時代劇の傑作がつくられた。…

【プロレタリア映画】より

… 〈傾向映画〉は,アメリカ映画一辺倒だった日本映画が,初めてヨーロッパ映画,とくにソビエト映画の〈モンタージュ〉の手法の影響を受けてつくられたもの(筈見恒夫《映画五十年史》)であると同時に,築地小劇場による新劇運動,マルクスの《資本論》の翻訳,プロレタリア芸術運動の組織化(1928年には〈全日本無産者芸術連盟(ナップ)〉が結成)など,知識的小市民層の〈左傾〉が社会的現象になってきた時代の産物でもあった。その先鞭をつけたのは,当時29歳の青年監督伊藤大輔が,封建時代の下郎を主人公にして社会的不正,階級制度を痛烈に批判した時代劇《下郎》(1927)である。この映画が,当時〈危険思想〉といわれた社会主義的イデオロギーにつらぬかれているということから,初めて〈イデオロギー映画〉あるいは〈傾向映画〉と呼ばれた。…

※「下郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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