与川村(読み)よがわむら

日本歴史地名大系 「与川村」の解説

与川村
よがわむら

[現在地名]南木曾町読書よみかき 与川

木曾山脈摺古木すりこぎ(二一六九メートル)から流れ出る下山しもやま沢とみなみ沢を合わせて木曾川へ流れこむ与川の中流の盆地状の段丘に点在する二八の小集落からなっている。東は木曾山脈を隔てて下伊那郡に、南はあららぎ村、北は野尻のじり村に山をもって境し、わずかに西に開けており、三留野みどの村に境する。

宝永三年(一七〇六)の「木曾考」に載る天正一二年(一五八四)の「妻籠籠城つまごろうじよう福島合戦」の条に「爰ニ与川村小典庵ノ住僧ハ、同所ノ郷民ニ紙旗数十本ヲ持セ、野頭ノ原久左衛(三留野神職ノ先祖)ヲ語ヒ、柴山ノ峰ニ登リ、処々ニ右ノ旗ヲタテ狼煙ヲ挙ゲ、夜ニ入テ山中ニ篝ヲ焼ク」とあって、妻籠城を包囲している敵方を牽制するためかがり火をたいて成功したという記事の中に「与川村」の名が出てくるのが初見である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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