両大師(読み)りょうだいし

精選版 日本国語大辞典 「両大師」の意味・読み・例文・類語

りょう‐だいしリャウ‥【両大師】

  1. 慈眼大師天海)と慈恵大師良源)の二人をいう。江戸上野寛永寺境内の慈眼堂(開山堂とも)に慈恵大師像を合祀したところからの称。毎月晦日、夕七つ時に上野三十六坊を順次に遷座し、各坊に一か月ずつ鎮座したが、毎年一〇月だけは二日に本坊へ遷座することに定まっていて、この日には練供養が行なわれた。慈恵大師の画像を刷った守札は、魔除けとして戸口などに貼る家が多かった。縁日は毎月三日と一八日。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「両大師」の意味・わかりやすい解説

両大師
りょうだいし

天台宗で良源(りょうげん)と天海(てんかい)を並べて尊崇する呼称。ともに、平安なかばと、戦国時代末に荒廃した比叡山(ひえいざん)と天台宗を復興し、良源は第18世天台座主(ざす)となり、慈恵(じえ)大師と諡(おくりな)し、天海は上野東叡(とうえい)山寛永(かんえい)寺を開山、慈眼(じげん)大師と諡する。両大師の験力は民間の信仰を集め上野(うえの)の両大師など、とくに関東一円に盛んである。

[木内曉央 2017年10月19日]

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