中備(読み)なかぞなえ

精選版 日本国語大辞典 「中備」の意味・読み・例文・類語

なか‐ぞなえ ‥ぞなへ【中備】

〘名〙
陣立で、先陣後陣との間にある陣。この中に大将本陣がある。
※甲陽軍鑑(17C初)品二五「よりあひの三十五騎を加藤駿河守にあづけて、本の備・中備(ソナヘ)たてたる場にをきて後」
② 柱上の組物と組物の間にあって、上の桁あるいは通肘木を支えるもの。蟇股間斗束・中備えの組物などがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中備」の意味・わかりやすい解説

中備
なかぞなえ

備えともいう。日本建築の組物と組物の間にあって各種桁を受ける支持材のこと。本来構造材であるが,装飾的要素が強い。桁の上に束を立てた間斗束 (けんとづか) があり,撥束 (ばちづか) ,蓑束 (みのづか) など装飾を施したものがあり,間斗束の左右に装飾を描いたものを笈形 (おいがた) と呼ぶ。和様では蟇股 (かえるまた) を用いることもあり,室町以降,動植物文様も現れ,透かし彫丸彫も行われるようになった。桃山,江戸時代には彫刻がさらに大きく華美になった。

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