中喜劇(読み)ちゅうきげき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中喜劇」の意味・わかりやすい解説

中喜劇
ちゅうきげき

前 400~320年頃のギリシア喜劇古喜劇から新喜劇への移行期にあたり,古喜劇の政治風刺や個人攻撃がほとんどなくなり,神話のもじりや日常生活の写実的描写が中心。合唱隊の役割が減少して複雑な筋立てが好まれ,芸妓と哲学者が活躍し,食客,料理人,魚屋などが登場して飲食を論じる。エウリピデス悲劇の影響で恋愛,捨て子,親子の対面などのモチーフが好んで使われた。おもな作者はアンティファネス,アレクシス,エウブロス,アナクサンドリデスら。現存する作品はないが,アリストファネスの『福の神』がすでに中喜劇の特徴を示している。

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