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中国の環境汚染と人体被害 ちゅうごくのかんきょうおせんとじんたいひがい

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知恵蔵2015の解説

中国の環境汚染と人体被害

最近、中国各地でがん患者が急増している。広東省韶関市大宝山鉱山下流の「がんの村」、浙江省温州市の皮なめし工場下流の「がんの村」、山東省平邑県、河南省周口市、安徽省などの淮河流域の「がんの村」、黒竜江省大慶市工業地区のがん患者など、全国25カ所以上でがん患者の多発村が報道されている。原因は、鉱山や工場排水の無処理垂れ流しによる河川の水質汚濁→河川の灌漑(かんがい)用水による農地の土壌汚染→飲用水や農作物の汚染→人体被害のルートが疑われている。 中国全土の河川の6割が重金属や農薬などで汚染され、こうした水質悪化が疾病の8割、さらに死亡の3割に関係していたとの、中国食品薬品監督管理局の内部資料が明るみに出た。中国国家環境保護総局も、全土の農地の10分の1以上が、重金属、化学物質放射性物質などにより土壌汚染されていることを認めている。また、2004年に大気汚染が原因と見られる呼吸器系疾患で死亡した都市住民が約36万人に上ることを明らかにした。これは、都市住民1万人当たり平均6人が死亡した計算になり、中国の大気汚染の深刻さを浮き彫りにした。 中国は、改革・開放路線の始まった1980年から2007年までの27年間、年平均9%以上の高度経済成長を続けている。そして、中国の水質汚濁、土壌汚染、大気汚染などの環境汚染は、かつての「公害列島・日本」をはるかに上回る規模で拡大しており、極めて深刻な人体被害が発生している。

(畑明郎 大阪市立大学大学院経営学研究科教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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