中宮祠(読み)ちゆうぐうし

日本歴史地名大系 「中宮祠」の解説

中宮祠
ちゆうぐうし

[現在地名]日光市中宮祠

中禅寺ちゆうぜんじ湖北東岸にある。かつては広義日光山内につこうさんないに含まれ、二荒山神社と中禅寺のある霊地で、中禅寺・中禅寺村ともよばれた。女人禁制で一般人の定住も許されていなかった。「日光山志」には、毎年七月一日からの男体山禅頂のための行人小屋二〇棟余が散在すると記される。だが寛保元年(一七四一)に夏季に限り日光町内の者による茶屋四軒の営業が許可され、文化元年(一八〇四)には六軒に増加したという。この頃いろは坂付近の深沢みさわ茶屋などもでき、一般庶民の物見遊山の地にもなっていたことがうかがえる。明治四年(一八七一)神仏分離、同五年の女人禁制解除後は、外国人の別荘が建てられるなど観光地へと変質した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の中宮祠の言及

【中禅寺湖】より

…日光国立公園の中核となっており,湖畔は華厳滝とともに国の名勝に指定され,国際的観光地として知られる。 男体山は古代に僧勝道が開いた山岳信仰の霊場であり,山頂に二荒山神社の奥宮,中禅寺湖北東岸の中宮祠(ちゆうぐうし)に中宮(中宮祠),日光市街に本社がある。現在のいろは坂上り口から上は女人の登山を禁止し,〈峰禅頂〉の僧が湖の東岸歌ヶ浜などを拠点として修行した。…

※「中宮祠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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