男体山(読み)なんたいさん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

男体山
なんたいさん

「二荒 (ふたら) 山」「黒髪山」「国神山」ともいう。栃木県西部,那須火山帯に属する日光火山群の主峰。標高 2484m。輝石安山岩,火山灰,火山砂礫などで形成された円錐状成層火山で,山型は美しく,日光富士とも呼ばれる。日光国立公園の代表的観光地の1つ。山頂には直径 400mほどの火口があり,斜面には放射状の薙 (なぎ) と呼ばれる浸食谷を刻む。南麓に二荒山神社があり,かつては修験の山であったが,いまは毎年8月1日から7日までの登拝祭に登山客が多い。付近には西流した溶岩流が湯川をせきとめて形成した戦場ヶ原竜頭滝,南流した溶岩流が大谷 (だいや) 川をせきとめて形成した中禅寺湖華厳滝などがあり風光に富む。

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百科事典マイペディアの解説

男体山【なんたいさん】

関東平野北縁,日光市の西方にある成層火山。二荒(ふたら)山,日光山とも呼ばれる。標高2486m。安山岩からなり,多数の放射谷がみられる。日光国立公園に属し,南麓に中禅寺湖,西方に戦場ヶ原がある。勝道上人が開いた山岳信仰の霊地で,山頂に二荒山神社奥宮があり,毎年8月1〜7日登拝祭が催される。
→関連項目日光[市]日光日本百名山

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世界大百科事典 第2版の解説

なんたいさん【男体山】

栃木県日光市,中禅寺湖北東にそびえる成層火山。標高2484m。二荒(ふたら)山,日光山,黒髪山ともいう。北東には大真名子(おおまなご)山(2375m),小真名子山(2323m),女峰(によほう)山(2464m),赤薙(あかなぎ)山(2010m),北西には太郎山(2368m),山王帽子(さんのうぼうし)山(2085m)が連なり,戦場ヶ原,湯ノ湖を隔てた白根山(日光白根)などとともに日光火山群を形成する。

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大辞林 第三版の解説

なんたいさん【男体山】

栃木県北西部にある日光火山群の一峰。円錐状成層火山。海抜2486メートル。南側の麓ふもとに二荒山ふたらさん神社・中禅寺湖がある。古くから修験道の山として知られる。二荒山。国神山。黒髪山。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔栃木県〕男体山(なんたいさん)


栃木県西部、日光(にっこう)火山群に属する成層火山。標高2486m。二荒(ふたら)山・黒髪(くろかみ)山とも。日光火山群のうち噴出時期が比較的新しく、近年の調査では最後の噴火は約7000年前ともいわれ、活火山に加えるべきとの意見もある。中禅寺(ちゅうぜんじ)湖や華厳(けごんの)滝はこの火山の噴出物により形成された。山頂の直径約800mの旧火口の北部は爆発で崩壊したもの。日光国立公園を代表する景勝地で、深田久弥(ふかだきゅうや)「日本百名山」の一つ。古くから修験(しゅげん)道の霊山で、開山は約1200年前と伝えられる。南麓(なんろく)に二荒山神社中宮祠(ちゅうぐうし)、頂上にその奥宮がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

男体山
なんたいさん

栃木県西部、日光市にある、中禅寺湖の北東にそびえる山。黒髪山(くろかみやま)ともいい、初期の5万分の1地形図には二荒山(ふたらさん)とも記載されている。標高2486メートルは女峰(にょほう)山、赤薙(あかなぎ)山などの日光諸火山中、白根(しらね)山に次ぐ。輝石安山岩、石英安山岩からなる成層火山で、全体として火山の原形がよく保存されて美しい山容を呈し、日光国立公園の中核をなす。山頂に径約800メートルの火口があり、ここから北に火口瀬が開く。山腹には大薙(おおなぎ)、観音(かんのん)薙、古薙などの侵食谷が放射状に発し、侵食の階梯(かいてい)としては幼年期にある。近年、山腹の薙に櫛(くし)の歯のように砂防堰堤(えんてい)が築造され、むしろ痛々しい感を与えている。中禅寺湖は男体山溶岩が大谷(だいや)川をせき止めた結果生成した湖で、湖畔の二荒山神社から登山路がまっすぐ山頂に向かい、8月1日の山開きには前日から集まった登山客が一斉に深夜の登山を繰り広げ、8月7日までの1週間登拝祭が行われる。782年(延暦1)勝道上人(しょうどうしょうにん)がこの山を開き、修験(しゅげん)の禅頂路(入峰(にゅうぶ)修行の路)が北麓(ほくろく)の志津を経て大真名子(おおまなご)山へと続いていた。1924年(大正13)などの山頂遺跡調査により、鏡鑑、密教法具、古銭など奈良時代から江戸時代に及ぶ祭祀(さいし)遺品が発掘され、これらは国の重要文化財に指定されている。山頂からの眺望はすばらしい。[平山光衛]

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世界大百科事典内の男体山の言及

【神体山】より

…しかし類語としては古く《古事記》《日本書紀》や《万葉集》にミムロヤマ(御諸,三諸,御室)があり,また《万葉集》や《出雲国風土記》に広く使われているカンナビ,カンナビヤマ(神奈備)がある。男体山,女体山の名も古い類語と考えられる。古来山を神体とする祭祀の原型は全国各地の祭祀遺跡や古社に見いだされるが,現在も山を直接祭祀する社殿形式を存続する著名な神社は,奈良県の大神神社,長野県の諏訪大社および埼玉県の金鑽(かなさな)神社である。…

【中禅寺湖】より

…栃木県日光市の西部,男体(なんたい)山(二荒(ふたら)山)の南に位置する。湖面標高1269m,面積は11.5km2で,標高1000m以上の湖としては日本最大。…

【日光】より

…表・奥・裏日光は日光国立公園に含まれ,前日光は県立自然公園に指定されている。日光は雄大な自然に恵まれた地であり,また男体(なんたい)山を中心に奈良時代末期に勝道によって開かれた山岳仏教の聖地で,近世には徳川家康をまつる日光東照宮の造営により栄え,国宝などに指定された建築物や文化財も多い。このため〈日光を見ずして結構というなかれ〉とまでいわれ,日本を代表する観光地の一つとして国際的にも知られている。…

※「男体山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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