中川(町)(読み)なかがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中川(町)」の意味・わかりやすい解説

中川(町)
なかがわ

北海道中央部、上川(かみかわ)総合振興局管内の町。1964年(昭和39)町制施行。南北に長い町域の大部分天塩山地(てしおさんち)の山岳地で、天塩川に沿ってJR宗谷(そうや)本線、国道40号が通じ、天塩中川駅付近に市街地が発達する。森林面積は町域の84%に及び大部分が国有林で、木材生産が行われる。1903年(明治36)帝室御料地貸付制度による26戸の小作入植が開拓の始まりである。市街には木材やチップの工場があり、町域中央の佐久付近から北には天塩川のやや広い河谷が広がり、支流の安平志内(あべしない)川の河谷とともに酪農畑作の農業地域となっている。農業は、町制施行時ごろから国営パイロット事業などにより畑作から酪農への転換が図られ、現在では乳牛と一部肉牛を飼育する酪農が主である。ハスカップワイン、とうもろこしウイスキーなどの地場産品も開発された。アンモナイトやクビナガリュウの化石が発掘され、中川町エコミュージアムセンターに展示されている。面積594.74平方キロメートル、人口1528(2020)。

岡本次郎

『『中川町史』(1975・中川町)』


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