上川(支庁)(読み)かみかわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「上川(支庁)」の意味・わかりやすい解説

上川(支庁)
かみかわ

北海道中央部の名寄(なよろ)、上川、富良野(ふらの)の各盆地一帯を占める町村を所管した北海道庁の出先機関。2010年(平成22)、支庁制度改革によって上川総合振興局に改称・改組された。旧上川支庁の所管区域は鷹栖(たかす)、東神楽(ひがしかぐら)、当麻(とうま)、比布(ぴっぷ)、愛別(あいべつ)、上川、東川、美瑛(びえい)、上富良野中富良野南富良野和寒(わっさむ)、剣淵(けんぶち)、下川(しもかわ)、美深(びふか)、中川の16町と、占冠(しむかっぷ)、音威子府(おといねっぷ)の2村。支庁所在地は旭川市(あさひかわし)。原則として市域は所管外であるが、旭川、士別(しべつ)、名寄、富良野の4市を含む地域を意味する場合もあり、また実務上も市域を含めて管内とされることが多かった。

 1897年(明治30)石狩国(いしかりのくに)上川郡を所管する支庁として設置され、その後、石狩国空知(そらち)郡東部、天塩国(てしおのくに)の上川郡と中川郡、胆振国(いぶりのくに)勇払(ゆうふつ)郡占冠村を加えた。東は北見山地、大雪十勝(たいせつとかち)火山群、日高(ひだか)山脈が、西は天塩山地、夕張(ゆうばり)山地が連なる南北に細長い地域で、この間に名寄盆地上川盆地富良野盆地などの中央盆地列の諸盆地がある。山地が70%以上を占め、木材木製品工業の盛んな町村も多いが、低地は稲作地帯で、北部を除くと水稲を主作物とする町村が多い。北部の大雪山付近には層雲峡やスキー場、旭岳温泉、天人峡温泉などがあり、南部の十勝岳山麓(さんろく)には白金温泉、十勝岳温泉があり、一帯は大雪山国立公園域。富良野盆地ではラベンダー農園などが観光客でにぎわう。

[岡本次郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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