北海道北部の日本海側に南北に連なる山地。北部は宗谷丘陵との間を天塩川先行谷、南部は
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
北海道北西部にある南北に細長い山地。東は名寄盆地をはさんで北見山地と相対し,南は神居古潭(かむいこたん)のある石狩川の横谷で夕張山地北部と画される。ピッシリ山(1032m)を最高峰とする標高500~600mの比較的なだらかな地形を示し,残丘のような山峰もいくつか見られる。南から北へ徐々に高度が低くなり,天塩川と頓別(とんべつ)川の河谷以北はとくに低く,宗谷丘陵と呼ばれる。天塩川河口部から南方では,山地は直接日本海にのぞみ海岸段丘が発達している。山地東部の地質は白亜系の変成岩からなり,西部は新第三系からなっている。この東部と西部の間に北からトイカンベツ川,安平志内(あびらしない)川,雨竜(うりゆう)川が縦谷を形成している。山地には亜寒帯系の森林が繁茂し,木材が産出される。西部の新第三系の地層には石炭が埋蔵され,かつては天北(てんぽく),苫前(とままえ),留萌(るもい)の各炭田があって活況を呈したが,現在はその面影もない。また,山地には含油層もあり,石油・天然ガスもわずかではあるが採取される。
執筆者:奥平 忠志
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北海道北西部を南北に連なる山地。北は名寄(なよろ)盆地を隔てて北見(きたみ)山地と相対し、南は石狩(いしかり)川の横谷で夕張(ゆうばり)山地と画される。平均標高は500~600メートルで、おおむねなだらかな山容であるが、最高峰のピッシリ山(1032メートル)をはじめ、残丘状の山峰が所々にみられる。北に向かってしだいに高度が低くなり、北端部の天塩川河谷以北は宗谷丘陵(そうやきゅうりょう)とよばれる。山地の西側の主要部は日本海に臨み、海岸段丘が発達している。地質は、山地東部は白亜系を主体とし、西部は新第三紀系からなり、両者の間にトイカンベツ川、安平志内(あびらしない)川、雨竜(うりゅう)川が縦谷を形成する。国有林を主とする山林地帯で、新第三紀系には石炭層が介在し、天北炭田(てんぽくたんでん)、苫前炭田(とままえたんでん)、留萌炭田(るもいたんでん)の炭田ではかつては石炭採掘が盛んであった。豊富町(とよとみちょう)では現在も天然ガスの採取が行われる。
[岡本次郎]
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