日本歴史地名大系 「中川根町」の解説 中川根町なかかわねちよう 静岡県:榛原郡中川根町面積:一二一・三七平方キロ大井川中流、南北に細長い榛原郡の北部中央部に位置する。北は本川根(ほんかわね)町、東と南は川根(かわね)町、西は周智(しゆうち)郡春野(はるの)町に接する。大井川が町の中央を南流し、これに榛原川・水川(みずかわ)川・川根長尾(かわねながお)川・中津(なかつ)川・川根境(かわねさかい)川などが右岸上流から注ぎ、左岸からは下泉河内(しもいずみこうち)川などが注いでいる。大井川とその支流域の河岸段丘上に集落が点在している。それ以外は山地で、北から板取(いたどり)山(一五一二・九メートル)・山犬段(やまいぬのだん)(一四〇四メートル)・大札(おおふだ)山(一三七三・六メートル)・三星(みつぼし)山(一一五九・九メートル)・無双連(むそれ)山などが続いている。「静岡県文化財地図」によると縄文時代遺跡二六・中世居館跡一・中世城郭跡八・中世墳墓一となっている。縄文時代の上長尾(かみながお)遺跡・釜(かま)ノ口(くち)遺跡・下村(しもむら)I遺跡は縄文時代早期から晩期末まで継続的に確認されているが、採集されている遺物のほとんどが石器中心で、土器が少ないため遺跡の時期決定が難しい。時期により関東系・関西系あるいは中部高地系のものなどが混在し、大井川流域はすでに縄文時代より東西文化、また南北文化の接点であった。縄文時代の遺跡はすべて大井川の河岸段丘上に立地するが、現在の大井川河床との比高によって分類すると、(一)最上位段丘(比高一三〇メートル前後)、(ニ)上位段丘(比高九〇メートル前後)、(三)中位段丘(比高四〇―七〇メートル)、(四)下位段丘(比高二〇―三五メートル)、(五)最下位段丘(比高一五メートル以下)に分けられ、上流域にいくに従い、中流域よりも全体に比高が約五メートルずつ高くなる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by