朝日日本歴史人物事典 「中御門宣明」の解説
中御門宣明
生年:乾元1(1302)
鎌倉末・南北朝期の公卿。父は参議経宣,母は藤原長成の娘。もと宣藤という。法名乗誓。宮内権少輔,勘解由次官,蔵人,蔵人頭,参議などを歴任し,貞和4/正平3(1348)年権中納言,康安1/正平16年に権大納言となる。この間,後醍醐天皇の蔵人として元弘から延元年間(1331~40)にかけて綸旨を奉じており,記録所の寄人としても活動している。しかし,南北朝期にはいると北朝の廷臣としての立場をとるなどしたが,一時,後村上天皇のもとにも祗候している。のち北朝の後光厳天皇擁立に関与した。『新千載和歌集』に和歌が収められた歌人でもあった。
(小森正明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報