日本大百科全書(ニッポニカ) 「中米統合機構」の意味・わかりやすい解説
中米統合機構
ちゅうべいとうごうきこう
Sistema de Integración Centroamericana スペイン語
略称SICA。グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、ベリーズの中米7か国からなる政治的統合機構。1992年発足。本部はサン・サルバドル(エルサルバドル)。準加盟国としてドミニカ共和国、域内オブザーバーとしてメキシコ、域外オブザーバーとして台湾、スペイン、ドイツ、チリ。
前身はグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカの5か国からなる中米機構Organizasión de Estados Centroamericanos(略称ODECA)である。中米機構は1951年10月に上記の5か国が中米機構憲章に署名し、中米の連帯を強化するため、1962年12月12日パナマにおいて新憲章を採択して発足した。中米機構は、中米の統合を希求する政治的・経済的共同体と規定された(機構憲章第1条)。設置機関には、最高機関たる元首会議(第3条)、主要機関として外務大臣会議(第4~6条)、本機構を法的に代表し(第7条)政策の指導と調整にあたる執行理事会(第8~9条)、立法事項の助言と指導にあたり中米諸国の立法統合の可能性につき検討する立法理事会(第10~13条)、付託される法的紛争の審理にあたる中米司法裁判所(第14~16条)、中米経済統合の立案・調整・実施を任務とする中米経済理事会(第17~18条)、文化・教育理事会(第19~20条)、域内防衛事項を任務とする防衛理事会(第21~22条)があった。中米機構は1991年に解散し、より緩やかな統合をめざした中米統合機構へと改組された。
[森脇庸太]